いまこそ初代RX100ってどうよって話
最初に断っておきますが、私はカメラの専門家でも、長年写真撮影に関わってきた趣味人でもありません。
趣味は車輪で、ガジェットが大好きなただの文系人間ですので、専門的なレビューは期待しないでいただきたいんです。
でも、4年程前に購入(しかも中古でw)したRX100というSONYのコンパクトカメラが、マイナーチェンジを繰り返しながらも、未だに現役で販売され、一定の評価が為されているということに感動し、自分のためにも記事にしようと思い至ったわけです。
RX100のすごいところ
RX100(初代)、発売は2012年6月で、今から6年以上も前に発売されたカメラなのですが、価格comのランキングではなんと、13位を張っているのです!
家電とりわけカメラは製品のサイクルが早く、1年経たずして新型が発売され、新機能が追加されて古い製品は淘汰されていくのが普通です。
特に、精密電子機器であるデジタルカメラは、アナログ時代のフィルムカメラに比べると、味や雰囲気、佇まいといった感覚的要素よりも、性能や規格によって陳腐化するのが普通です。
そんなデジタルカメラ市場にあって、初代のRX100が、いまだに市場で評価され、愛される理由はなんなのでしょうか。
それはひとえに、圧倒的なパッケージングの良さと、扱いやすさにあると思います。
RX100が発売された当時は、スマホのカメラがどんどん進化し、単なるスペックの改善のみならず、実際に出力される画像が、並のコンデジと大差がなくなってしまったこと。
また、その写真の用途が、インターネットやSNSといったWebサービスへのアップロードであるという観点から、モバイル回線に直結されたスマホが優位性を持つのは当然の流れであったと言えます。
そんな背景にあって、当時のコンデジとしては画期的な1インチサイズのセンサーと、カールツァイスレンズを装備したRX100は圧倒的な画を切り取れるコンパクトカメラとして、評価を得ることになります。
また、これまでに圧倒的な写真が撮れるというコンデジ(という呼び方が合っているかはわからないがw)は存在していましたが、用途や使用環境が限定される、いささか万人向けではないものであったのに対して、RX100は、気楽にプレミアムオートで撮影しても、マニュアルモードで作り込んだ撮影をしてもそれなりに良い画造りができるという懐の深さまで身につけていたことも人気の大きな要素です。
初学者にこそ手にして欲しいカメラ
iPhoneをはじめとした最近の2眼、3眼レンズのスマホカメラの写真の綺麗さは目を見張るものがあり、大半の写真は、スマホで十分用をなしてしまうのではないかというのが、私の意見です。
が、それでもなおカメラ然としたカメラ(コンデジですが)を手にするのはなぜでしょうか。
それは、カメラという単一機能に特化した製品に触れたい、学びたいからに他なりません。
カメラで自らが立つ空間の空気感をそのまま切り取ってみたい、カメラを上手に操作してみたい、そのような願望が、カメラへの意欲を沸き立てるのだと感じているのです。
なぜなら自分がそうだから。
意外にイケる?ズーム性能
初代RX100のレンズは、28mmから100mm相当の焦点距離です。
しかしながら、使ってみると、光学ズームを超える範囲のデジタルズームで、結構なズームができてしまいます。もちろん画質は低下しているのですが、意外と見れてしまう写真。。
興味深く思って少し調べてみると、ネットにこのような記述がありました。
勉強になりますね。
RX100は、アスペクト比が3:2の時に、28mmから100mm相当の焦点距離です。望遠端が100mなので、RX100は望遠機の性格はないと思われています。RX100のズームの仕組みは、画質が劣化しない光学ズームと、画像を切り出せる範囲で画質劣化なくズームするスマートズームと、デジタルズームのように画質が劣化しない全画素超解像ズームと、画質の劣化が目立つデジタルズームの4つに分かれています。
全画素超解像ズームを使ってみれば分かりますが、通常の範囲内で見る限りは、綺麗な描写が得られます。等倍で見ると、光学ズームよりも画質が落ちているのが分かります。ソニーのRX100の公式サイトでは、「7.2倍相当(200mm)までズームアップできる“全画素超解像“ズーム」と書いてあります。ソニーがそう書いてあるので、RX100の全画素超解像ズームは、200mmまでしか使えないと思ってしまいます。ですが、その公式サイトに書いてあることは、RX100の性能を見ると不十分な記述になっています。
実際のRX100は、縦横比が3:2でSの5Mの画像サイズの時には、画質の劣化がない光学ズームとスマートズームを合わせた範囲は7.2倍まで伸びて、全画素超解像ズームは14倍まで使えます。広角端の28mmの14倍なので、392mmまでの望遠になります。5Mの静止画サイズの時の全画素超解像ズームは、およそ、400mmの望遠機になるのがRX100です。Mの10Mの静止画サイズでは、画質の劣化がないズームは5.1倍、全画素超解像ズームは10倍です。ソニーの公式サイトに書いてあるのは、Lの20Mの静止画撮影の時の光学ズームの3.6倍と、全画素超解像ズームの7.2倍です。
なぜ、ソニーは、公式サイトで20Mの時のズームしか書いていないのでしょうか。おそらく、ソニーは、RX100の2000万画素以上の画素数を強調したいために、最大記録画素数の時のズームしか、公式サイトのRX100の商品の特徴には載せていないのだと思います。画素数が少なくなるほどズームができるのは、余った画素数を使って余裕のある画像の切り取りができるからです。
今まで、高画素になると1画素当たりの受光面積が小さくなって、画質が劣化することの弊害がよく言われてきました。それは確かにその通りで、画素数を無闇に多くする必要はないと思います。ただ、高画素の大きな利点に、RX100のように通常のズームで100mmまでしかなくても、画素数に余裕があることで綺麗な描写が得られるズームの領域が拡大することがあります。
RX100のように、コンパクトで1インチの大きな撮像素子を搭載して、広角端でレンズも明るいと、望遠まで伸びたレンズを搭載するとカメラがかなり大きくなります。RX100の2000万画素以上の画素数があるので、5Mの静止画で全画素超解像ズームが400mmくらいまで伸ばせるのです。RX100のように余裕のある大きな1インチの撮像素子と最新の画像処理技術のおかげで、2000万画素以上になっても、高画質のカメラになっています。ソニーの全画素超解像ズームの綺麗な描写を見ると、高画素がいけないとばかりは言えない面もあります。
RX100での最小の画像サイズは、Sの5Mです。392mm以上の望遠の画像は、自分でトリミングする必要があります。正方画素の場合、2倍に画像を拡大すると、画素素は1/4になります。正方画素を縦に2倍、横に2倍に拡大するからです。5Mで記録された画像の392mmの望遠の画像を、2倍に拡大して784mmにすると、画素数は1/4になって125万画素になります。以前の望遠機の名機のC-2100 Ultra Zoomは、200万画素機でした。125万画素の望遠画像は、ウェブの縮小画像用では問題ないです。緻密な風景の画像ではなく、圧縮した画像の望遠なら、そんなに画素素は必要ないと思います。
RX100は、全画素超解像ズーム以降にデジタルズームがあります。デジタルズームは、RX100本体での画質の劣化を抑える全画素超解像の処理とは違って、ズームする度に画質がどんどん劣化していきます。5Mで全画素超解像の最大の392mmまで拡大しておいて、それ以降は自分で画質が劣化しないと思える範囲までトリミングしたほうがいいと思います。392mmまで望遠できれば、動物園などでも十分に使えます。それ以上に望遠するのなら、1.5倍の拡大に抑えて588mmの望遠にすると、画素素は220万画素くらい余ります。5Mの392mmの望遠を588mmまで望遠しても220万画素くらい余るのは、RX100の高画素の恩恵です。
このように考えていくと、改めて、高画素にもいいことがあると思いますし、RX100は200万画素なら600mmくらいの超望遠機にもなります。RX100は1インチの素子がいいので、画像を拡大しても良質な画像になっています。全画素超解像ズームをして構図を決めて撮影しておくと、後からトリミングする時にも、うまくトリミングできます。
使い方によっては、600mm相当のカメラレンズになると、これはもう万能機としての条件を十分にクリアしていますよね。
実際に撮影してみるとこんな感じ。
【広角側28mm, F値5.6, 露出時間: 1/160】
【望遠端, F値5.6, 露出時間: 1/500】
いかがでしょうか。
画質が落ちているので、これを作品としてというのは難しい場面が大きかもしれませんが、ココまで寄れるという事自体に価値があるように思います。
実は初代RX10 (24-200mm)も持っていますが、RX10よりも寄れてしまいます。
ソニー SONY デジタルスチルカメラ Cyber-shot RX10 2020万画素CMOS 光学8.3倍 DSC-RX10
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ちょうど良い画角
- RX100 レンズ:28mm(約 5 cm) – 100mm(約55cm)
- RX100M5 レンズ:24mm(約 5 cm) – 70mm(約 30 cm)
初代RX100で諦めなければならないポイント
【画像はRX100M3もチルトモニター】
スマホ写真との比較
先程述べたように、スマホのカメラの性能は日進月歩で進化しています。
カメラの重要な構成要素である、レンズやセンサー性能の向上以外にも、自動補正やAIによるシーン認識など、シンプルにカメラ性能を測る以外の面での進化も進んでいます。
今回は手持ちのOne Plus 5T(ダブルレンズカメラ搭載機)と、作り込まないスナップ撮影でどれほどの差が出てくるのか比較してみたいと思います。
【RX100:作例1】
【One Plus 5T:作例1】
【RX100:作例2】
【One Plus 5T:作例2】
【RX100:作例3】
【One Plus 5T:作例3】
構図が違う等、根本的に間違っている?部分もありますが、出力される画像の印象は掴んでいただけるのではないでしょうか。
正直違いはあまり感じられない程に、スマホのカメラってすごいんですが、個人的には、シーンの自然な切り取りがRX100の強みなのではないかな、と感じています。
また、RX100はセッティングを変えていくことによって画の作り込みができることもメリットです。
いつかRX100では撮れない写真に到達したい
新たな趣味をはじめるときはいつもそう。
ロードバイクも海釣りもドローンも、高いものを買っていつ飽きるかわからないけど恐怖の一方で、安物を買って、その趣味の面白みを知らないまま熱意を失っていくのも嫌だ。
RX100ってちょうどいいと思うんですよ。
今でもシリーズ機が発表される原点のモデルで、現行販売もされている。
価格は新品でも33,900円〜で、ガシガシ使って写真やカメラの面白さを知るにはもってこい。
こいつを入り口にカメラの世界にどっぷり浸かっていくなんて、とても良いカメラとの出逢いなんじゃないかなーって思うわけです。
SONY デジタルカメラ DSC-RX100 1.0型センサー F1.8レンズ搭載 ブラック Cyber-shot DSC-RX100
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